10日

第五回珍來の開催日から10日経ちました。調べてみると、新型コロナの潜伏期間は平均5〜6日、最長でも14日との事ですが、今のところ、他の共演者の方やお客様からも発熱等のご連絡はいただいておらず、僕自身も勿論、体調不良になる事なく、穏やかに過ごしております。専門家ではないので断定は出来ませんが、一応クラスタになる事なく開催できたと考えて良いのではないでしょうか。検温やマスクや消毒等、感染予防のご協力ほんとうにありがとうございました。

ホッとしていると同時に、これから会を開催するたびに毎回このレベルの覚悟をしなくちゃいけない状況に、アマチュア落語会の主催者は肝が冷える思いです。ちょっと前に仔鹿寄席の中止を決断したのは、感染者数が200人を超えたからですが、最近は200人台なら「今日は新規感染者数が少ない」と見做されるし、政府と自治体で行動指針が真逆だし、盆にも帰省できないし、ま、愚痴っても仕方ないので暫くは東京を満喫します。

高座ログ

第五回 珍來
於 活ハウス

オープニングトーク どテ珍・福来
道灌 福来
反対俥 どテ珍

仲入り

夕涼み 福来
欠伸指南 左笑

仲入り

余芸 福来
死神(誉れの幇間) どテ珍

新型コロナ感染対策の為、完全予約制、しかも当日はいつも通りの雨天(珍來の開催日は必ず雨または雪が降る)にも関わらず、7名のお客様にご来場いただき本当にありがとうございました。当日はマスク着用と入口での消毒、上演中こまめな休憩、換気を挟ませて頂きましたが、オープニングトークでもお伝えしました通り、数日の後、体調を崩されてしまった場合は、速やかに医療機関にてご診断いただき、出演者あるいは活ハウスにご連絡をお願い致します。

そんな真面目な案内から始まったオープニングトークでしたが、普段はグタグタになりがちなフリートークが意外に(?)はずんで盛り上がりました。どテ珍さんイメチェンしたしねー。

さて、自分の感想の前に、相方のどテ珍さんは「反対俥」と「死神(誉れの幇間)」どちらも爆笑をかっさらってました。どテ珍さんは日常的に創作落語を作る人なので、古典の中にも現代的な、ちょっと毒のあるくすぐりを自然に入れ込むのが本当に上手いです。特に今回は一つも外してないんじゃないでしょうか。トリの死神(誉れの幇間)は、三代目金馬師匠のお手本にした、まあ改作と言っていいくらい雰囲気の違う噺。落語初心者の方は勿論、長年聴いてるようなお客様も、興味深く浸っておられました。

今回のマドンナは、おさむ家左笑さん、本業は舞台女優さんで、実は第一回珍來から皆勤賞でいらして下さる、珍來に来てくださったお客様なら必ず「ああ!」と思ってくださる裏のレギュラーメンバーさんなのですが、満を持してのご出演でした。夏らしく「欠伸指南」をされてましたが、発表会以外の出演は初めてとは思えない、流石の舞台度胸と滑舌の良さ、丁寧な演技で楽しく聴かせていただきました。

で、僕。開口一番は「道灌」。本当は寺子屋の落語教室発表会でネタ下ろしする予定でしたが、コロナで中止となり、この機会を使ってネタ下ろしさせていただきました。凄くベーシックで、如何にも落語的な噺なので、やってる本人は楽しいのですが、いざ人前でやってみると想像通り難しい…不安なのでマクラ多めに振って挑んだお陰で何とか持ち堪えたつもりですが、それでも正直ややウケかなあ。どテ珍さんが志ん生師匠版と気付いてくださったのが嬉しい(笑)時期を選ばない噺なので、またチャレンジしたいです。

もう一つは「夕涼み」。これと踊りがあったので浴衣で高座に上がったのでした。つい先月、キャナリーの発表会でネタ下ろしした以来でしたが、その時に色々と忘れてたくすぐりを盛り込めて良かったです。あと、お行儀の良い発表会と違って、ほんの少しだけ、本来の喜多八師匠バージョンに近い「バレ」に近づけた演出にしたら、思ったより反応が良くて良かったです。みんな好きねぇ(笑)

あとは余芸でまた踊りを。夏だし何にしようかな、と思ったのですが、勉強会だし良いやと、まだ上がってない「深川」の深川〜吉原までの短縮版を。これで「夕涼み」「欠伸指南」含めて船遊び三部作でした。「船徳」やってないのに(笑)口直しに、後は、疫病退散と言う事で「かっぽれ」を踊らさせていただきました。

会場をご提供いただいた活砲偽さん、設営を手伝ってくれたぽっぽくん、撮影してくれた愛歯照ちゃんもありがとうございました。

次回は11月23日(月・祝)予定です。実はマドンナも決めてますが、詳細は番組内容含めて後日ご案内いたします。それまでには、もう少し安心して落語会が出来る世の中になりますように。

とりあえずひと段落

先週末12日に仔鹿寄席ご来場いただいたお客様には個別包装のマスクをお渡ししてお詫びをしました。また、会場の徳丸三凱亭さんにも、急遽のキャンセルにも関わらず会場費をご容赦頂き、本当にありがとうございます。それでも既に宣伝に使ったダイレクトメールやチラシにかかった費用を出演者で分配も済み、後始末を終えてとりあえず、ひと段落の席亭です。

前回の仔鹿寄席は2月でしたので、そのとき既にマスクをつけて感染対策を整えた上で開催したのですが、まさか、7月になってもこの状況が続いてる(悪化してる)のは考えもせず、私の読みの甘さでメンバーには余計な期待と出費をさせてしまい申し訳ないです。

ひと段落したこの機会に、仔鹿寄席自体もひとまず無期限の休止にしたいと思います。これまでも自然災害で延期になる事はありましたが、来月どころか来週の状況すら見えないこのコロナ禍の中、とても次回予定を立てられないと考えました。

もちろん、コロナ禍でもできるような別の開催方法も考えました。例えばネット配信。このご時世、プロは勿論、アマチュアで配信してる人もいらっしゃるし、それを否定する訳ではないですが、少なくとも私自身、無観客の前で落語する為に稽古する意味って何?とか思ってしまうのです。我々は、少なくとも私はこの活動を商売にはしてません。なので、例えたった一人でも、生身のお客様の反応をいただける事が恩恵の大半だと思ってます。

他にも、お客様の人数を絞って開催する、例えば、キャパ40人の会場を20人までに限定して開催する。これも考えました。(実際に、私個人では、その形で開催予定の会があります)ただ、その為には、当日、満員御礼でお帰り頂くお客様がでないように完全に事前予約制にしたり、また、それに併せて出演者も今よりぐっと減らさないと収拾がつかなくなります。出演者が減ると、まあ、生々しい話、出演者一人当たりの費用負担も今よりぐっと上がる訳です。

最悪、将来コロナ禍がもっと、年単位で長期化してしまった場合は、そう言った形での再開も考えております。でも、少なくとも今は、「予約しなくてもお客様が気軽に入れる、また、キャナリーの生徒さんなら、手を挙げれば誰もが気軽に出演できる」仔鹿寄席のままであって欲しい、と言う思いがあるので、上記のような所謂「新しい生活様式」にあった開催方法に切り替えるにしても、判断や準備の期間が欲しい(出来れば悩んでるうちにコロナ禍が収まって欲しい)、ってのが正直なところです。

まぁ、うだうだ理屈をこねてますが、今の自分にとって仔鹿寄席くらいの規模のイベント開催は、「リターンに合わない大きさのリスク」になってしまった、ってのが本音なんだと思います。

そんな感じです。まあ、僕自身のアマチュア落語活動は小規模で細々と続けますので、宜しければ無理ない範囲でお付き合い下さると嬉しいです。

最後に、皆さん健康最優先で、またお会いした時に「あのとき大変だったね」と笑いあえる日が来る事を祈っております。

第14回仔鹿寄席 中止のお知らせ

7月12日に予定しておりました第14回仔鹿寄席ですが、ここ数日のコロナ感染者数の急増および、それに伴う都外への移動自粛要請を踏まえ、中止とさせて頂きます。楽しみにされておりました皆様には申し訳ございません。私たちとしても無念ですが、今は感染拡大防止を最重要と考え、ご了承いただければ有難く存じます。

次回予定は未定となります。
皆さまのご健康と、このコロナ禍の一日も早い収束を祈ります。

高座ログ

キャナリー落語発表会
於 お江戸両国亭

今日はキャナリー落語発表会でした。もともとの予定から延期した日程で、しかも朝から大雨と言う悪条件での開催でしたが、それでもお客様にお会いする事が出来ました。本当にありがとうございます。

私は「夕涼み」をネタ下ろししました。もともと、上方落語の「遊山船」を故・柳家喜多八師匠が江戸落語として改作されたネタ。残念ながら音源しか入手出来なかったので、分からない所は上方の「遊山船」を参考にしたり、講師の龍馬師匠と相談しながら試行錯誤して、その過程も含めて楽しく稽古させていただきました。

また、今回、緊急事態宣言および東京アラート解除後、かなり暫くぶりの高座でしたので大緊張。袖で明らかに自分の手が震えるのを感じながら、ひたすら人を書いて呑んで書いて呑んで…とにかく頭が真っ白で逃げたい、と思ってました。幾つか飛ばしてしまいましたが、結果的には暖かいお客様に支えていただき、何とか目的地に着地しました。ありがとうございました。

次のネタも決めました。寄席スタンダードナンバーへの18番、的に有名なネタですが、個人的に葛藤があって伸ばし伸ばしになったネタです。覚悟を決めて頑張ろう。

落語鑑賞覚書・補足

こないだこのブログで浅草演芸ホールは昼夜通しと書きましたが、コロナ感染防止の為、昼夜入れ替えになるそうです。まあ、このご時世ですから、営業して下さるだけ御の字ですわ。

落語鑑賞覚書

浅草演芸ホール 中席

昼の部

(途中入場)
曲独楽 紋之助
青菜 白酒

夜の部

平林 杏寿
狸鯉 小もん
洒落番頭 三朝
奇術 アサダ二世
グレコ奮闘記 ぐんま
つる 扇遊
ギター漫談 ぺぺ桜井
紀州 柳勢
野ざらし 百栄
紙切り 正楽
締め込み 小満ん

仲入り

都々逸親子 一九
顔の男 小ゑん
粋曲 小菊
猫と金魚 文菊
百面相 さん生
太神楽曲芸 仙三郎社中
純情日記・横浜編 わさび

(敬称略)

新二つ目・ぐんまさんの新作バックドロップのお祭り騒ぎの直後に、扇遊師匠がぐっと引き戻す「つる」の豪腕ぶり、からの新真打・柳勢師匠の古典バックドロップ!最高でした。文菊師匠の猫金は初めてでしたし、さん生師匠がお正月興業以外で百面相されるのも初めて。寄席は(良い意味で)定番な日もあれば(良い意味で)はちゃめちゃな日もある。一期一会だから油断できないし、離れられない。

「新作落語も、他の誰かがやったらそれは古典落語」と言うフリからの、純情日記・横浜編。わさび師匠バージョンを聴くのは初めてでしたが、暫く喬太郎師匠作だったのに気づけないくらいに、違和感なかったなあ。堪能しました。

落語鑑賞覚書

浅草演芸ホール 6月中席 昼の部

まぬけ泥 やまびこ
平林 白浪
熊の皮 やまと
浮世節 橘之助
兵庫船 彦星改メ 彦三
一眼国 正蔵
ものまね 小猫
子褒め 龍玉
お父さんのハンディ 圓歌

仲入り

漫才 ジキジキ
夕立勘五郎 志ん輔
妻の旅行 はん治
紙切り 二楽
芝居の喧嘩 一朝
お菊の皿 雲助

仲入り

女たちと竹の子 こみち
漫才 ロケット団
漫談 馬風
千両みかん さん喬
曲独楽 紋之助
松曳き 白酒

(敬称略)

今日は二つ目に昇進した彦星改メ 林家彦三(ひこざ)くんのお祝いに、という口実で解禁後、初の寄席に。いや、実際には菊龍師匠だったり小駒くんだったり(正雀師匠経由で)某小◯島さんだったり何かと接点があり、さほど口実でもないんです。最後に聴いたのが国立の鹿芝居だから、まだ半年も経ってないですが、不思議と二つ目の雰囲気になるもんだ。これだから若者ってやつは!福島出身だそうですので、地元の方も是非。あとイケメンです。腹立たしい(笑)

それと、現状の浅草演芸ホールのコロナ対策について。まず、入場前に検温と消毒、座席は市松模様に使用されており、全ての客席が前後左右、1席ずつ空けている状態。プログラム上は仲入り1回になってますが実際には2回、仲入り時には側面の扉(お正月興行に行った事がある人はピンと来ると思いますが、直接、路上に出る扉)を開けて換気してました。昼夜は通し。お客さんは(上の様に飛び飛びにはなりますが)満遍なく入ってました。客席でマスクしてない人は流石に見かけなかったなあ。これを十分と考えるか不安と考えるかは読んでる人に委ねるけど、マァ、完全に元通りになるはまだ数ヶ月、下手したら一年かかるんじゃないかな。

ちなみに高座の上はいつもと一緒。特にアクリル板やフェイスガードやマスクは無く、でした。楽屋までは流石に分からないけどね(笑)

番組は全般的に、軽い噺や鉄板ネタが多かったのが逆に安心しました。実家のようなマンネリズム。

活ハウスにて。

‪今日ランチビール片手に、たらたらと活さんに愚痴ったけど、コロナ禍に対する社会人落語家の危機意識のレベルって宣言解除がどうの経済活動がどうの言われても、最終的にはその人の価値観や、その人の環境によって全然違う。早く人前で喋りたいお気楽な奴(まあ、どちらかと言えば、言わなくても僕もその部類)がいれば、どんな対策を打っても怖いモンは怖いと言う人もいる。

んで、ここんとこの傾向から見える、危機意識のレベルが違う一番大きな理由は同居人の有無だと思う。まぁ、自分の道楽と同居人の命を天秤にかけられないのは、人として普通の判断だよなあ。なんて思いながら帰った。

実際、僕はコロナ禍が始まって以降、帰省してない。怖いからだ。そんな男に首都圏外や、親世代(あるいは同世代でも家族と同居)を巻き込む資格などない。とは言え、配慮が足りない事もきっと多いのだけど。

そして告知はしてしまう二律背反。会として衛生には最大限、注意を払いますが、最終的にはお客さん個々人の体調や環境を踏まえた判断に甘える形になります。自己の命を顧みず冷静さを失って僕に夢中になってしまうようなファンは、この世界には存在しないと言う…自分で言ってて有難いような、なんだかとても心細いような(笑)

野球や麻雀じゃないんだから既定の人数が揃わないと出来ないゲームじゃない所がまだ、救い。暫くは、色んな価値観のレベルを調整しながら、告知したり延期したり中止したりが続くのだろう。

緊急事態宣言が始まった頃、「afterコロナ」に向かって自粛してればまた元の世界に戻る、と言う理屈を何の根拠もなく持ってたけど、今では「withコロナ」の中で自衛しろなんて時代になるとはね。僕個人は、でき得る限り経済活動と同じく(いや、プロの噺家さんにとってはまさに経済活動なのだけど)趣味とコロナ対策との両立を探っていきたいと思うけど、同時に頭のどこかで「近い将来、この趣味を捨てざるを得ない状況が来るのではないだろうか」と、思ってる。

それはそれであんまり悲観してない。落語を始める8年前まで戻るだけだし、何かを捨てる事で、別の可能性を得る事はよくあるからだ。簡単には捨てないけどね。人生成り行き。

落語寺子屋発表会 延期

ほぼ、告知してませんでしたが、6/21に予定しておりました落語寺子屋発表会は、コロナ感染防止の観点から延期となりました。2月に続き連続で延期となってしまい、申し訳ございません。延期先は9月頃を予定しております。正式に決まりましたら、またこちらでもご案内させていただきます。それまでには、少しでも安心して暮らせる日常になる事を祈るばかりです。

ちなみに2月の根多は「ふぐ鍋」、6月の根多は「道灌」でした。

9月の根多はこれから稽古なのですが、まだ未定です。さてさて。