鹿之家さん歩さん、と僕

昨日、とある事で、さん歩さんが亡くなった事への一区切りがつきました。皆様のさん歩さんへの思い出はそれぞれあるとは思いますが、僕も僕なりに大事な思い出があります。

さん歩さんと落語会で共演できたのは3回ありました。初めての機会は2016年7月の「前座噺の会」でした。

高座ログ

ちょうど会のひと月前にこのブログを立ち上げてます。このブログを立ち上げた動機の一つに、あるトラブルで自暴自棄になった僕はmixiを退会し、同時に自分と繋がりのある社会人落語家の9割を拒絶しました。僕はそのまま社会人落語も辞めようと思ってましたので、誘って頂いたさん歩さんにとっては完全にお荷物になってしまったと思いました。共演者の方々は勿論、お客さんから「福来がいるなら来ない」と思われても仕方ない、とその当時の自分は思ってました(まあ、そう思っちゃう無駄な被害者妄想も今思うとアウトなのだけどね)

でも、結局その会には出れました。さん歩さんは説得してくれた訳でも叱ってくれた訳でもなく、ただ、いつも通りの調子で出演させてくれました。当時の僕にとってこれ以上の恩はありません。しかも打ち上げの時、ちょっと照れくさそうに「僕もフェイスブックで揉めて離れていた事があるんだよ」と仰って下さいました。

当然、さん歩さんはそのあと別に積極的に助けてくれた訳でもなく、事態がドラマチックに改善された訳でもなく(事実、この会に出演させていただいた時点では、馬鹿な僕はその気遣いに対し感謝を示す事が出来ず、ずっと不貞腐れてました)、僕が今のような状態になるまでは他に何人もの方々に助けてもらいながら数年かかってしまったのですが、はっきり言えるのは、さん歩さんがいらっしゃらなかったら、僕は今もこうして笑って高座でお喋りする事はなかったと思います。

2回目は2016年11月、二松亭落語研究会OBの方々主催の「きっすい寄席」で共演させていただきました。

高座ログ

さん歩さんはゲスト、僕は自己推薦による前座枠ですが、共演には違いないですよね、ね!(笑)一緒に着替えた時の、ギョッとする程ほっそりした胸板と、それを全く感じさせないパワフルな高座に圧倒されました。マクラでは、西荻窪は地元に近いと仰って、とても懐かしそうに目を細めて(もともと小さい目ですが)ましたのを覚えてます。

3回目は大本命、2017年8月の「落語ドッキリチャンネル 夏休み特大号」でした。

高座ログ

僕は、黒紋付で臨みました。ネタは「猫と金魚」なので、はっきり言って衣装と合ってないとは思ったのですが、なるべく正装で千葉ドキメンバーの皆様に向き合いたいと思いました。楽屋でさん歩さんが「福来くんに似合ってる」と仰って下さいました。うろ覚えで恐縮ですが、僕も黒紋付着ようかなあ、と仰ってた気がします。あの思いは叶ったのでしょうか。この頃もう殆どお酒は絶ってたようですが、打ち上げでは楽しそうにビールを飲んでました。僕、この会で仲良くなれる人が増えたんですよ、さん歩さん。

その後は、僕も趣味が増えたり、有り難い事に出演回数が増えた事もあって、千葉ドキや、さん歩さんの出演される会に顔を出す機会が減ってしまいました。その後、風の噂でさん歩さんがmixiで半生を書き始めている事を知り、あとは皆様もご存知の通りです。

さん歩さんにはお世話になりっぱなしでしたが、昨日ほんの僅かですが、恩返しが出来た気がします。いや、でもまだまだですね。一生かかっても返せないですが、これからも謙虚に、でもチャンスには貪欲に精進したいと思います。言っときますけど、僕は江戸っ子にしては生き意地が汚いので暫くそっちには行きませんからね!

心からありがとうございました。