江戸前の男

一之輔師匠が好きで、一朝師匠、正朝師匠、もっと言えば彦六師匠が好きなのにも関わらず、先代、五代目柳朝師匠の事を全く存じ上げず。最近覚えて、また、今度の仔鹿寄席にかける「粗忽の釘」を覚える経緯で非常に興味を持ったのですが、この師匠について書かれた本が殆どない…数少ない音源や映像も、勿論、素晴らしい高座なのですが、マクラは至って短く古典の型で、パーソナルなところが全く見えない…落語四天王と呼ばれるくらいメジャーな筈なのに…

だからこそ、非常に面白く読ませていただきました。そして、パーソナルな所を表に出さず、冗長無駄を嫌い、主役に拘る事をよしとしない姿勢こそが正に「江戸前の美学」なのだと言う事を知りました。自分語りを残すなんてみっともない?ブログやってる我が身に沁みますわい。

また、自伝でもなく、インタビューでもなく、小説の主人公という立ち位置で描かれる噺家さんと言う試みは、とても面白いと思いましたよ。