落語鑑賞覚書

一之輔たっぷり
鈴本演芸場

きいち 熊の皮
一刀 庭蟹
一之輔 にらみ返し
小満ん あちたりこちたり

仲入り

一之輔 柳田格之進

(敬称略)

プロアマ問わず色んな落語会で(聞き手として)縦横無尽に活躍されております某Fさんからお誘いいただきまして、後援会主催の一之輔独演会に行って参りました。心から感謝の気持ちと北海道物産展で買った海産物を持って開演時間ギリギリに会場イン。

すげえ面白かったんですが、まあまあ、真っ当な感想はツイッターでも読んでください。僕が言いたいのはですよ、

ドンドンパフパフ〜!第一回「番頭さんとおきぬちゃんは結婚しちゃっていいの?ダメなの?大討論〜」
万屋の主人を思って、あらぬ方向に突っ走り、格之進の娘おきぬちゃんをウッカリ吉原に沈めちゃったドジっ子忠臣☆番頭さん、最後には格之進に許して貰ってそれは美談だけど、疑いが晴れた時には既に結構な時間が経っちゃって、もしかして吉原で大変な事になってない?おきぬちゃん問題の解決策として、今迄聞いた中で二つのパターンがありました。

1.実は格之進、失踪からすぐ出世して、おきぬちゃんは吉原で酷い目に合う前に身請けしており、別の人と結婚する

2.許してもらった後に身請けして、ショックでふさぎ込んだおきぬちゃんを番頭が必死に看病して、なんだかんだで結婚する

これ、難しい選択だよな。まあ、普通の価値観なら自分をそんな酷い目に合わせた相手と結婚するとかあり得ないので1.なんだろう。その方が番頭さんが悪党として振り切れるし、僕もその方がスッキリすると思ってた。でも、結局、おきぬちゃんは酷い目にあってませんでした展開だと、肝心の格之進の堪忍が鈍る気がする。いや、実害がなかったなら後は面子の問題じゃね?(勿論、武士にとって面子は生死に関わるので、軽い問題ではない、とは言え、たぶん、この噺って「さすが武士!俺たち町人が我慢できないこんな理不尽な事をぐっと耐えてのける、そこに痺れる!憧れるゥ!」がテーマなので、耐えられそうな実害だと弱いのだ)とか、おきぬちゃん無事なの先に教えない格之進って意地悪くね?とか、番頭さんがそんなに悪党ならとっくに降格あるいはクビじゃね?とか、それはそれでノイズが入るのです。だからどっちが良いという問題ではなく、きっと演者や聞き手の価値観だったり、その時代の価値観だったりで印象が変わっていくのだろうなあ、と思いました。

まあ、どっちにしたっておきぬちゃんにとっちゃ迷惑な噺だとは思うんだけどさ。

勿論、一之輔師匠の格之進は、どっちを選んだかは言いませんが、そんなイデオロギーとは関係なく、それはもう素晴らしかったと書いて締めます。