出囃子について・蛇足

なんだか一部に反響があったので、蛇足として普段、自分が高座に上がる時に使わせて貰ってる出囃子「十日戎」について。

一応、寄席囃子100(三枚組CD)に入ってるのでマイナーでもないとは思ってるのですが、私の知ってる社会人落語家の方で、他にこの曲を使う人にまだ会った事ないですな。

なんで、この曲を選んでるかと言うと、昔、まだキャナリー発表会の出囃子がCDメインだった頃、出囃子の曲目は全て先輩である吉遊さんが選んで下さったそう(その当時は知らなかったのですが)。なので、そもそも出囃子って何?というくらい落語初心者の頃は、わけもわからずこの「十日戎」を使ってました。とは言え、当時は高座に上がるのに舞い上がってて、何が鳴ってたかもよく覚えてません。

その後、発表会でも生出囃子が増えて来て、自分も好きな噺家さんと言うものが出来始め、ある意味「色気づいた」頃になってくると、いまいち地味な「十日戎」よりは憧れの志の輔師匠の「梅は咲いたか」とか白酒師匠の「江戸」とかをお願いして上がってました。

ところが、ある時、吉遊さんが出囃子CDの曲目を選んで下さってた事を知ったので、どうして当時、十日戎を選んだのかお聞きしたところ、僕の高座名が福来なので

戎=「福」の神

十日戎の掛け声=商売繁盛で笹もって「来」い!

に掛けた洒落(天才かっ!)とお聞きしまして。縁が出来てしまうと、なんだか現金なもので、すごく愛着が湧いてしまったと言う、そんな事情です。聴き込んで慣れてくると、いまは逆に、このスローテンポの地味曲に合わせて、落ち着いてゆっくり上がるのが癖になってます。

どうぞ仔鹿寄席などでお聴きになりましたら、そんな曲なのだと思っていただければ。