浪曲鑑賞覚書

やる気が出る外郎売CDブック
出版記念演芸会

於 木馬亭

国本はる乃 外郎売
玉川太福 茶碗屋敷
あっち亭こっち たがや

仲入り

座談会(竹内尚志・玉川太福・長田衛) 浪曲の未来について
玉川太福 地べたの2人シリーズ「道案内」

(敬称略)

昨日、ビアガーデンで飲み過ぎて、つーか正確には金曜徹夜呑みからの迎え酒状態だったので、今日は珍しく午後まで撃沈状態。若くねえな。

まあ、こういう時はちょっと落ち着いたら、横になってるより外に出て視点を変えた方が早く治る事もあり、夕方近く、浅草にて初めて木馬亭に伺って参りました。木馬亭、いわゆる浪曲の寄席に行く事自体初めて。これまで玉川太福さん、玉川奈々福さんのお二人は渋谷らくごで存じ上げてはおり、興味はあったのですが、ガチの浪曲会に行く勇気はなく、今回は場所はガチですが、イベントなので逆に初めてでも行きやすいかな、と。

木馬亭は100人くらいキャパの、池袋演芸場と比べてもややこじんまりとした、でも内装は紛れもなく昔の寄席。客層としては、こういう「分かる人は分かる」系の大衆芸能にありがちな、御徒町ガード下の居酒屋で半世紀くらい鍋底で煮詰めたような、良い感じに捻くれ者っぽい手練れの常連おじいちゃんズは勿論、真っ正面の席を陣取ってましたが(笑)、思ったより若いお客さんが多かった。この辺り、渋谷らくごを始め、太福さんの普及活動を賜物かな、と思う。

最初に出てきたはる乃ちゃんは、御年21歳にして芸歴12年。なんと9歳から浪曲の世界に飛び込んだという、労基局がひっくりかえるような芸歴の持ち主。当然、常連おじいちゃんズのアイドル。今回は本のタイトルにもある外郎売(ちなみに、僕同様に馴染みの無い方に蛇足で説明すると、げろううり、ではなく、ういろううり、と読みます。歌舞伎の題名にもなってます)を浪曲バージョンでやってくださいました。

次に登場、太福さんの「茶碗屋敷」は、落語でいう「井戸の茶碗」。とは言え設定と人物配置以外は殆ど違ってて、清兵衛さんは正直者でも何でも無く、仏像から小判が出たのを知って「売らなきゃよかった!」と叫んでるし、お侍と浪人が直接対決(つーか普通に果たし合い)してるし、なかなかに新鮮でした。

その次はあっち亭こっちさん、と言う社会人落語家さんで、この人が本の執筆者である長田さん。演芸研究家の肩書きは伊達では無く、まくらでは色んな掛け声について、たっぷり教えてくださいました。

仲入り後は座談会。本の編集者の竹内さん、執筆者の長田さん、付属CDの口演をされた太福さんより、出版の経緯から浪曲の未来について語っていただきました。かつて浪曲は黄金期があったそうですが、今では当時の頃を知ってる人が殆どお亡くなりになり、伝統芸の継承と、新規の若いお客様の取り込みが必要だとしきりにおっしゃってました。

最後は太福さんの新作浪曲。ほぼ同年代の感性なので、笑いのツボが似ており、非常に楽しませていただきました。ラストの夏らしい風景描写も爽やか。地べたの2人シリーズは7作あるそうですので、また別の話も聞いてみたいですねえ。

木馬亭、また機会があれば行ってみたいと思います。