落語鑑賞覚書

江戸版上方噺
於 お江戸両国亭

歌奴 秘伝書
文雀 仔猫

仲入り

文雀 太閤と曾呂利
歌奴 胴乱の幸助

(敬称略)

俺の泥酔話なんでどうでもいいものを書いてたら、すっかり本編を書くのを忘れてました。
鹿鳴家群馬さんが主催する「落語天」の落語会にお邪魔して参りましたよ。

まずは歌奴師匠で「秘伝書」。落語ではよくある八つぁんとご隠居の会話から始まるのですが…昔あった「伊藤家の食卓」が好きな人には堪らないですね。寄席で是非聴いてみたいです。

次が文雀師匠で「仔猫」。この噺は上方の社会人落語の方からしか(と、言うより実質一人からしか)聴いた事がないのですが、江戸版だとしっとり抑えめ怪談味多めかな。でも、しっかり聴かせる演出は流石の文雀師匠でした。

仲入り後、文雀師匠で「太閤と曾呂利」。珍しく?袴姿の文雀師匠、雰囲気はあくまで軽いのですが、歴史物だし、和歌も沢山出てくるし、大変な噺をさらっと。お公家さんのヒステリックなおじゃる感が最高でした。

トリは歌奴師匠で「胴乱の幸助」。揉め事を仲裁するのが大好きなおじさんの噺。喧嘩していた二人が、おじさんが仲裁する前に仲直りしてしまい、イライラするところで大笑いしました。あと歌奴師匠、声が良いから義太夫節が映えるなあ。けっこう長講だったと思うのですが、あっと言う間だった気がします。

この日の高座か、はたまた別のところで聴いたのか曖昧ですが、「人間の顔には狐顔と狸顔しかいない」ってフレーズにぴったりの師匠方。また是非、二人会に遊びに行きたいと思います。

後片付けして裏から引き上げる際に、円楽党の前座さんが待機して待ってま…し………え!?ボルボ亭イケアさん!いやさ、三遊亭じゅうべいさん(スウェーデン出身の元、社会人落語家さんで、去年の千葉国際大会で大活躍。今は三遊亭好楽師匠に弟子入りされました)と、ほぼ一年ぶりに再会しました。これはちょっと、よいゲン担ぎになりましたね。

酔っ払いの演技

泥酔者が出てくる噺を稽古してるんですが

どーもいまいち、酔っ払い感が足りない。

でも、ワザとらしく大袈裟にやると、何を言っているか分からない。

そうだ!

実際に泥酔して稽古した音を採ったら、参考になるんじゃないか?

と、思って、昨日、某落語会の打ち上げで日本酒をパカパカ空けて積極的に泥酔してみた(同席者の方々、すみません)。意識混濁でなんとか帰宅したところまでは憶えているが、電気もつけっぱ眼鏡もかけっぱで目が醒ます。すっかり酔いも冷めてる。

やべえ!無駄に泥酔した!?と思ったら、ちゃんとiPhoneに録音されてた。ああ、俺の声で酔うならこのテンポでこのトーンか。

俺えらい!…が、泥酔時にやらかしたアレコレを思い出すと差し引きが完全にマイナスに傾いてる気がする。やっぱり程々に呑んだ方が楽しいや。

ごめんちゃい。

寄席と夏フェスと漫画雑誌

コミックビームが「緊急事態」宣言 漫画雑誌はこの先生きのこれるのか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161014-00000023-it_nlab-ent

桜玉吉さんの漫画で子供の頃から知ってますが、O村編集長、痩せたなぁ・・・。
危機感も感じるし、すごく興味深いインタビューでした。特に「雑誌が赤字で単行本が黒字だったら、雑誌をやめればいいじゃん」、という理屈に対する反論に共感。

昔、子供の頃は金が無かったから1冊の雑誌を隅から隅まで嘗め回すように何度も何度も読んだ。面白い漫画も、つまらない漫画も、イライラするような嫌いな漫画も。でも、大人になって単行本しか買わなくなっちゃうと、面白い漫画(それも、「どっかで誰かが紹介した面白い漫画」)しか読まなくなっちゃう。それじゃあ視野も世界も狭くなるわな。

去年の夏、人生で初めて夏フェスに行ったとき、「寄席に似てる」と思ったの。いろんなミュージシャンがいて、有名どころがあちこちの会場に点在しててね。人気者だけ見て回る事は物理的に不可能になっているから、合間合間で時間調整のために全く聴いた事ない新人に遭遇して「お♪」って思ったりしたっけ(具体的には、カナブーンはフェスで知った)。後日あの曲なんだっけ、ってyoutube探して曲名確かめて、結局CD買ったりね。それって、寄席に行って、これまで観た事もなかった芸人さんを発見して、また見たいなあ、と名前を追ってみるのにすごく似てると思ったのです。

漫画雑誌もそうなんだね。独演会が「単行本」なら、寄席は「雑誌」。
とりあえず、O村編集長がなんかやるってんなら、乗ってみるかな。

読もうか!コミックビーム!!

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わらうとまけよ

寄席文字教室の帰りに先輩にお誘いいただき、軽くアルコールを注入。ほろ酔い気分で帰宅した後、月曜の小三治師匠の高座を反芻したいと思ってyoutubeでこんな動画を見てました。(けっこう長いので注意)

大変、勉強になったのですが、小三治師匠の言葉の中に「笑わせようとするのではなく、つい笑ってしまうのが落語なんです」というのがあって、

それをトリガーに思い出したのですが。

子供の頃は、よく友達と「にらめっこ」をしてました。その友達の中に「にらめっこ最強の男」がいました。全然ブッサイクではなく、むしろ、そこそこ整った顔(と書けば聞こえがいいですが、要は「薄い」顔。)だったそいつの編み出した戦法は、まず、普通に変顔をします。こっちも負けてたまるかと変顔で応戦するのですが、勝負がピークに達した瞬間、ふっと真顔に戻るんです。怒った顔でも、泣いた顔でも、ましてや笑った顔でもなく、無言で、感情プラスマイナスゼロ、フラットな真顔。それを数秒見てたら、こっちはもうダメ。綱引きで引っ張られるように笑ってしまい、幾多の変顔達が何度も陥落されてしまった訳です。タイミングさえつかめれば、変顔という「天性の才能」をそれ程必要としないその戦法は、当時の僕らにとって「にらめっこ」の概念が一変するぐらいの革命で、「にらめっこ」そのものに飽きるまで、みんなでそいつの真似したっけ。

こないだの小三治師匠の「間」で笑ったときの感覚は、その「にらめっこ最強の男」にやられた時に近い気がしたんですよね。冷静に考えると、子供の遊びと国宝の至芸を比較するなよ、と、方々から怒られそうですが、なんか、大事なヒントのような気がしてならない。

寄席文字教室について

橘流の寄席文字教室では、毎年、各地の教室が一箇所に集まって新年会を行うそうです。そこでは、一つの課題(テーマ)に則って各教室の生徒達が作成した作品を会場に展示し、品評されるそうです。

そうです、そうです・・・と、しきりに書いているのは、今年の新年会の時は入りたてだったので、僕はまだ一度も出席してないのです。

課題は毎年、異なるのですが、たしか、去年は「好きな噺家さんの手ぬぐいをデザインしてみよう」でした。で、今年の課題は「落語、講談、浪曲”以外”の、寄席に出てくる色物芸人さんのメクリを作ってみよう」。単純に字の上手さだけではなく、知る人ぞ知る、古くからの寄席ツウをうならせるような色物芸人さんを発掘することも評価点となるというもの。ただ、全員がその課題ではなく、入会して一年以内の生徒は「数字を習いたての頃と逆順に書く」なのです。

僕は、去年の12月に体験入会して、1月にそのまま正式入会した状態なので、師匠からはどっちでチャレンジしてもいい、とおっしゃってくださったのですが、何日間か悩んだ結果、今回は数字でチャレンジする事をお伝えしました。

おおっぴらに初心に立ち返れる数少ないチャンスであったし、正直、今は、下手な奇策が使えない課題の方が、より自分を厳しく追い詰められるかな、と思ったので。同じ課題の生徒のなかでは恐らく自分が最も古株だって言う状況も、低評価で当たり前のメクリを書くよりよっぽどヤバいプレッシャー。

師匠は「楽な方を選びやがって」とあっさり看破されてましたが(笑)

とはいえ、新年会の時に話題についてこれないのも悔しいし、昔の色物芸人さんは自分なりに勉強しておこうっと。

酒席で演ってみた。

YouTuber風に。

先週の日曜日に、元・会社の先輩で関西に転属になられた方が久しぶりに東京にいらっしゃるという事なので、その方を囲って酒宴があったのですが、その際、僕の落語趣味の事が話題になりまして、何かやってみろとリクエストを頂く。

さて、これまでは、だいたいこのテの酒席のリクエストは、応じたところで誰も聴いちゃいねえ、ってのが分かってたので丁重にお断りしていたのですが、根が捻くれてるんでしょうね、お断りするばかりなのもつまらないじゃないか、と思って、落語・・・は難しいのでベッタベタな小噺一つと、謎かけ一つをやってみたら、意外にウケて、喜んでいただきました。普段、自分より遥かに経験豊富な落語超人達と呑んでますので、自分のレベルの芸でも感心していただいた事に単純にびっくり。

で、その後、調子に乗ってやってみた付け焼刃の「PPAP」が今年一番、一気に酔いを覚ます急角度でのダダ滑り。まったく、あてにならねえな!ジャスティンビーバーって野郎は!(人のせい)ペンパイナッポーアッポーペン!

 

 

でも、近距離でベタな小噺すると、サゲを言うほんのちょっと前から、勘の良い方が笑いを堪えているのが見えるから、その人と呼吸を合わせるのが楽しい。そういや相棒も時折、酒席でやってるって言ってたっけ。こういう時の小噺の使い勝手の良さは最強だな。今度リクエストがあったら、もう少し積極的にやってみよう。

落語鑑賞覚書

鈴本演芸場 夜席

朝七 道灌
遊京 金明竹
ダーク広和 奇術
扇遊 家見舞
小袁治 長短
小菊 音曲
琴柳 野狐三次〜木っ端売り
ストレート松浦 ジャグリング
はん治 妻の旅行

仲入り

二楽 紙切り
小三治 転宅

(敬称略)

落語教室に通い始めて5年目。
つまり、落語という芸能を目の当たりにして5年目にしてようやく国宝、小三治師匠に参詣いたしました。

これまでも、なんとなく畏れ多くて避けてたのですが、最近は著書「落語家論」を読んでしまいますます期待値が上がって行きづらくなりまして。とは言えやっぱり寄る年波には勝てないって噂も聞きますし、期待と不安がないまぜになりながら、鈴本に1時半間程並んでました。その甲斐あって、最近のマイフェイバリット特等席、左側前方二列目を確保。

トリまでのあれこれは、ごめんなさい。
興奮で記憶が全部薄れてしまいましたので、いい加減な事は語らず、敢えて割愛。

で、

国宝だ!本物だ!生きてる!動いてる!
人伝てに伺った通り、マクラたっぷりの人でした。ただ、一つ残念な事があって、結構、固有名詞が出てこないんです小三治師匠。でもね、出ないのが残念なのではないんです。問題は、それを助け舟したいのか、師匠が言いたかったのであろう固有名詞を叫ぶ常連であろうお客さん。はっきり言ってノイズでしかないから、止めるか速やかに退出して欲しい。正確な人名とか地名とかどーでもいいの、俺は小三治師匠の不正確でぼんやりとした話をぼんやりとした頭で聞きたいの!

本編の「転宅」に入った途端、小三治師匠の体内のスイッチが「がちゃり」と、落語モードに切り替る音が聞こえた気がしました。それからは、ほんとうに一挙手一投足すべて、吸う息から吐く息まですべてが素晴らしかったです。比較的淡々と話してるのに、要所要所の表情がやばい。特に、お菊さんから初めておまいさんと呼ばれた瞬間の泥棒のデレ顔。あの落差は、そんじょそこらのアニメのツンデレ美少女キャラが鼻息で吹き飛ばされるくらいの笑顔でした。そんな頭の悪い感想で良いのか。でも、とても背もたれに座ってくつろいではいられず、気付くと前のめりになって、瞬きひとつ、音ひとつ逃すものかと、聴き入ってしまいました。

と、言う事で、にわか落語好きの不安など軽々と越える、天高き秋空を眺めるような、幸せな時間で三連休は締めくくられました。

明日は寄席文字教室だぜイェー!
そろそろ年末の課題を考えないとヤバいぜイェー!(涙)

先日、第二回劇団大福来にゲスト出演してくださいました、万年堂きさ馬さんが、今年の社会人落語日本一決定戦で見事、優勝されたそうです。

きさ馬さんの日々の研鑽が実を結ばれた事、また、直前に共演できた事をとても嬉しく、誇らしく思います。これからもますますのご活躍をお祈りいたします。

今度お会いする機会がありましたら改めて。まずは書中をもちましてお祝い申し上げます。

いょっっっ!八代目!!!